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コラム

【開発秘話】アルテマクール(アパレル一式)

開発秘話

2025.03.05

製品について

どれぐらい冷たく感じるのか?

※新製品ニュースでやり取りしているグラフ・スペック表を流用したいと考えています。

熱板を使用した試験結果では、アルテマクールインナーと市場に出ているポリエステル素材の接触冷感ウェアを比較すると、120秒間で奪う熱の量は約1.5倍の差が出ました。実際に人が着用した試験では、乾燥状態でも服の温度が上がりづらく、低い温度帯のままキープされる結果が得られました。これは、ウェアがしっかり体を冷やすことができたからだと考えています。

その秘密は、

  • ナイロン素材自体が持つ接触冷感性。糸の分子構造に水が含まれているため、ポリエステル素材と比較して冷感が強いためです。
  • 最大の特徴はPCM(フェイズチェンジマテリアル)という素材で、宇宙飛行士を急激な温度変化から守るために開発された素材で、設定された温度で溶けたり凍ったりを繰り返す素材です。この素材に特殊な加工を施して肌側へプリントをしています。
  • キシリトール加工が施されています。「キシリトール」と耳にすると、ガムや歯磨き粉で使用されているスーッとした爽快感が思い浮かぶと思います。その冷却効果を繊維に配合したことで、水分に反応して生地の温度を下げる効果をもたらします。
  • ミント加工(メントール)は皮膚にある温度感受センサー(TRPM8)を刺激し、脳へ冷たさを感じさせます。これは数値化できないので個人差はありますが、これもミントガムを噛むと、ひんやり感じる感覚と同じ効果があります。

 

汗や水で濡れたときに、その水分自体が気化熱で体温を奪うことに関しては、他の製品でも同じであると言えますが、アルテマクールはこれら4つの効果により、冷感性があり、身体の熱を奪って衣服自体の温度を下げることができます。また、試験では汗と同じくらいの温度である32℃の水を霧吹きで噴霧し、徒歩速度と同程度の風速1m/秒の風を当てて試験しました。その結果、濡れて風に当たったときは、特に冷たさを感じることができます。

開発にわたって

製品誕生のきっかけ

全国的に猛暑の続く日が年々と増加しているのに対して、釣り人にとって少しでも快適に釣りを楽しんでもらいたいという想いから製品開発に至りました。しかし、市場にある冷感ウェアの中からは、なかなかイメージしていたものが見当たりませんでした。取引先との打ち合わせを重ね、ようやく希望どおりの素材を見つけました。これは冷却効果が高いかもしれないと思い、前のめりになりました。

開発時に苦労したところは?

最初は、「布帛(ふはく)」という縦糸と横糸を交互に織り込んだ生地で試作を行いました。この生地は糸を細かく織り込んでいるため、密度が高く、通気性が低いのが特徴です。型崩れしにくいため、ワイシャツなどによく使用されています。そして、実際のサンプルを確認すると、肌触りはひんやりと冷たいけれど、汗の吸収性が低かったためボツになりました。吸収性の高いニット生地の方が効果的かもしれない!と思い、次は布帛と正反対の生地であるニットシャツに特殊冷感プリントするも余分に厚みが出てしまい、シャツが硬くて着られないという大失敗でした。そのあとも幾度となくサンプル作成を繰り返し、納得のいくものになるまで時間がかかりました。

通常の製品開発において

製品企画するときのインスピレーションはどこから生まれていますか?

インスピレーションというよりかは、常に「さらに良いものを」という考えを持っています。釣り用の衣類も竿や鈎と同様に必要不可欠なアイテムだと思います。これまで私が手掛けてきたアイテムで「ここをこうしたら、もっとこうなるのではないか?」といったアップデートを製品開発へ反映しています。

仕上がった製品を一番はじめに手に取ったときに感じるものは?

意図したとおりに、うまく作れたかどうかと毎回ドキドキしています。

開発するうえで難しいと感じることは?

お客様に喜んでもらえる製品に仕上げるために協力先様とのスケジュール感や求めているスペックの認識共有です。日常生活でも言えることだと思いますが、連絡を頻繁にとっていても、言葉だけで完全には伝わりきらない部分があったり、想定していたものとは別の受け取り方があったりとコミュニケーションの難しさを改めて感じます。

開発して良かったと感じるときは?

釣り場やSNSなどで着用された方を見かけたときが、やはり一番嬉しいです。

【開発者のプロフィール】

入社のきっかけ

歴史のある会社で釣りに関係する仕事だと楽しいのではないかと思い、2022年に転職してきました。入社してから鮎の友釣りを経験し、鮎がかかった瞬間は最高に面白いと感じました!普段は山奥で源流釣りを楽しんでいます。

日々意識していること

買って良かったと思っていただける商品になるように日々試行錯誤しています。

今後の目標

自身の釣りに関する情報量も上げて、今よりもさらに製品開発につなげていきたいです。

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